ゴミ屋敷を元の綺麗な状態に戻すために必要な時間は、その空間に存在するゴミの量と、作業の密度によって決まります。よく「一日で綺麗にしてください」という依頼がありますが、ゴミの量が一定のラインを超えている場合、それは物理的に不可能なことが少なくありません。例えば、ワンルームに膝下までゴミがある場合、熟練したプロ三人でも、分別の徹底と搬出を含めると丸一日はかかります。これが一軒家丸ごとのゴミ屋敷ともなれば、ゴミの量は数十、数百立方メートルに及び、作業時間は一週間から十日間に及ぶことも珍しくありません。ゴミの量が多い現場で時間がかかる最大の理由は、搬出そのものではなく、その前段階にある「分別」にあります。現在の廃棄物処理ルールは非常に厳格であり、可燃物、不燃物、資源ゴミ、危険物、粗大ゴミなどを正確に分けなければ引き取ってもらえません。ゴミの量に比例して、この分別作業の回数は増え、スタッフの疲労も蓄積していきます。また、ゴミの下に隠れている貴重品や重要な書類を探し出しながらの作業となると、さらに時間は伸びます。自力で片付けを行う場合は、さらに多くの時間を見積もる必要があります。平日は仕事があるため週末のみの作業となるなら、数ヶ月から半年かかることも覚悟しなければなりません。ゴミの量を減らすスピードが、新たに発生するゴミや生活の乱れを追い越せない限り、片付けは永遠に終わりません。だからこそ、時間の見積もりは保守的に、余裕を持って立てることが成功の秘訣です。私たちが自身の部屋を清潔に保つためには、この小さなめんどくさがりという感情が、いかに強力で破壊的な結果を招く可能性があるかを正しく認識し、先送りを防ぐための仕組みを日常生活の中に組み込んでいく必要があります。ゴミの量という目に見える敵に対し、いかに効率的なスケジュールを組み、根気よく挑み続けるか。その時間そのものが、住人にとっての自立へのリハビリテーションとなることもあるのです。
ゴミの量に比例するゴミ屋敷の片付けにかかる時間