ゴミ屋敷の現状を客観的に把握し、適切な対策を立てるためには、ゴミの量を「立方メートル」という体積の単位で捉える技術が必要です。一般の方にとって馴染みの薄いこの単位ですが、片付けの現場では極めて重要な指標となります。一立方メートルとは、縦一メートル、横一メートル、高さ一メートルの立方体の大きさを指します。これを一般的な生活空間に当てはめると、六畳間の床に一面、三十センチほどの高さで物が散乱している状態が、およそ三立方メートルに相当します。もしこれが一メートルの高さまで積み上がっていれば、ゴミの量は十立方メートルに達します。さらに、天井付近、つまり二メートル以上の高さまで物が詰まっている部屋であれば、一部屋だけで二十立方メートルを超えるゴミの量が存在することになります。ゴミの量を体積で考えるメリットは、処分に必要となるトラックの容量と直結している点にあります。一般的な軽トラックの積載容量は約二立方メートル、二トントラック(平ボディ)で約五立方メートル、二トントラック(ロング・高煽り)であれば十立方メートル程度まで積み込むことが可能です。つまり、ゴミの量が二十立方メートルある現場では、二トントラックで最低二回から四回の往復が必要になるという具体的な計算が成り立ちます。また、ゴミの量としての体積だけでなく、物の種類による密度の違いも加味しなければなりません。例えば、衣類や布団は圧縮すれば体積を減らせますが、家具や家電は解体しない限りそのままの体積を占有し続けます。見積もりの際に業者と共通の言語として立方メートルを用いることができれば、ゴミの量を巡る誤解を防ぎ、より透明性の高い契約を結ぶことができるようになります。ゴミの量が住まいの安全を破壊し、最悪の場合は住人の命さえも奪いかねないという事実は、ゴミ屋敷を単なる不潔な状態と片付けることができないことを物語っています。家が悲鳴を上げ、倒壊の危機を知らせる前に、ゴミの量という物理的な重圧から建物を解放してあげなければなりません。住まいは本来、人を守るための場所であるべきであり、ゴミを保管するための倉庫であってはならないのです。
ゴミ屋敷のゴミの量を測る立方メートルの考え方