ゴミ屋敷という暗く深いトンネルから一人で抜け出すことは至難の業です。その困難な道のりを照らし支えてくれるのが家族や友人といった身近な人々の存在です。もしあなたのたいせつなひとがごみ屋敷に苦しんでいるなら。その人を救い出すためにあなたには何ができるでしょうか。そこには「正しい支え方」があります。まず最も重要なことは相手を「非難しない」ことです。「どうしてこんなになるまで」「だらしない」といった正論は相手の心をさらに固く閉ざし深い傷を与えるだけです。ゴミ屋敷の住人は誰よりも自分自身を責めています。彼らに必要なのは追い打ちをかける言葉ではなくその苦しみを受け止めてくれる安全な避難場所なのです。次にあなたの「心配している」という気持ちを誠実に伝えましょう。「あなたのことが心配なんだ」「何か力になれることはないかな」。主語を「あなた」ではなく「私」にすることで相手は責められていると感じにくくなります。そして相手が少しでも心を開いてくれたら。その話をただひたすらに聞いてあげてください。なぜこうなってしまったのか。今何が辛いのか。その声なき声に耳を傾ける傾聴の姿勢が信頼関係を築く第一歩です。物理的な片付けの手伝いを申し出るのも良いでしょう。しかしその際も決して主導権を握ってはいけません。「どこからやろうか」「これはどうする?」。常に本人の意思を確認しながら一緒に作業を進めるというスタンスが大切です。物を勝手に捨ててはいけません。それは相手のテリトリーと尊厳を侵害する行為です。そして忘れてはならないのが家族や友人だけで抱え込まないこと。問題が深刻な場合は地域包括支援センターや保健所あるいは専門の片付け業者といった外部の専門機関に相談し助けを求める勇気も必要です。あなたの役割は全てを解決することではありません。大切な人が再び光の中へと歩み出すのを隣でそっと支え伴走することなのです。
ゴミ屋敷から抜け出したい!家族や友人の支え