私の部屋がゴミ屋敷の状態になってから、およそ三年の月日が流れていました。足の踏み場もなく、床が見える面積はわずか数パーセントという惨状の中で、私は常に漠然とした不安を感じていましたが、その不安が最悪の形で現実となったのが、ある蒸し暑い夏の夜のことでした。私はゴミの隙間に敷いた万年床の上で、いつものように眠りについていました。深夜二時を回った頃、右足のふくらはぎに、ザワザワとした嫌な感触を覚えたのです。何かが這っている。寝ぼけ眼で足を動かそうとした瞬間、火を押し付けられたような激痛が走りました。飛び起きて枕元のライトをつけると、そこには十五センチメートルはあろうかという巨大なムカデが、ゴミの山の奥へと音を立てて逃げ込んでいく姿が見えました。噛まれた場所は瞬く間に赤黒く腫れ上がり、心臓の鼓動に合わせてズキズキとした痛みが全身を駆け巡りました。私はパニックになり、逃げたムカデを探そうと周囲のゴミをかき分けましたが、それはさらなる恐怖の始まりでした。ゴミを動かすたびに、見たこともないほど大きなゴキブリが数匹飛び出し、その下からは別の小さなムカデが這い出してきたのです。私の寝床は、いつの間にか害虫たちの巣窟になっていたのだと、その時初めて痛感しました。激痛で一歩も動けず、救急車を呼ぶべきか迷いながら、私は暗闇の中でゴミに囲まれて震えていました。ムカデに噛まれた痛みも去ることながら、自分がこのような不衛生な場所で、命の危険を感じながら生きているという現実に、涙が止まりませんでした。病院で処置を受け、数日間の激痛と戦った後、私はようやく決意しました。この部屋は私を殺そうとしている。翌日、私は震える手でゴミ屋敷清掃の専門業者に電話をかけました。作業員の方がゴミの下から次々とムカデの死骸や巣を発見するたびに、私は自分の無知と慢心に背筋が凍る思いがしました。あの夜のムカデの感触と痛みは、今でもトラウマとして残っています。しかし、あの事件がなければ、私は今でもゴミの山の中で、命を削りながら眠っていたかもしれません。ムカデは、私に「ここから逃げろ」と警告を与えた死神だったのかもしれません。今、清潔なシーツの上で、何もない床を見渡しながら眠りにつけることが、どれほど贅沢で幸せなことか、私は噛み締めながら生きています。もし、ゴミ屋敷の中でムカデの気配を感じている人がいるなら、どうか手遅れになる前に、その場所を脱出することを強くお勧めします。