数多くのゴミ屋敷現場を渡り歩いてきたプロの清掃員たちの間では、「住人がどこで寝ていたか」がしばしば話題にのぼります。彼らが目撃してきた現場は、一般人の想像を遥かに超える過酷さと、ある種の「適応の凄まじさ」を感じさせるものです。清掃員が遭遇した驚愕の就寝スポットの第一位は、「玄関のタタキ」です。部屋の中が天井までゴミで埋まり、唯一、ドアが開閉できる玄関のわずか一畳足らずのスペースに布団を敷き、靴を枕にして寝ていたケースです。冬場の冷気や、ドアの隙間から入る虫など、劣悪な環境であることは明白ですが、住人にとっては「ここが唯一、外の世界と繋がっていて、逃げ道がある場所」という心理的な理由で選ばれていました。第二位は、「浴槽の中」です。浴槽の中に古い衣類をクッション代わりに敷き詰め、その中で体育座りをするような姿勢で眠るスタイルです。浴槽は壁に囲まれているため、周囲のゴミの山が崩れてきても直撃を受けない「防空壕」のような役割を果たしていました。しかし、排水口から上がる湿気で布団は常に濡れており、住人の皮膚はカビによる炎症でボロボロの状態でした。第三位は、「ゴミの山の頂上」です。床から2メートル近い高さまで積み上がったゴミの頂上に、辛うじて平らな部分を作り、そこで寝ていたケースです。天井が目の前に迫る閉塞感の中、住人は毎晩、登山をするようにゴミの山を登って就寝していました。清掃員がその山を崩すと、下層からは十年以上前の新聞や、完全に風化した遺品が出てくることもあり、歴史の重み(物理的な重み)を感じずにはいられません。これらの極端な寝場所は、ゴミ屋敷の住人がいかに極限状態に置かれているかを雄弁に物語っています。「どこで寝るのか」という問いは、彼らにとっては「どこであれば死なずに済むか」という切実な生存戦略の結果なのです。清掃員たちは、これらの寝場所を解体する際、単にゴミを捨てるだけでなく、住人が失っていた「安心」の拠点を、より健全な形で再構築する手伝いをしているのだという自負を持っています。清潔な布団と、平らな床。それがどれほど贅沢で、かつ必須なものであるかを、現場の惨状は逆説的に教えてくれるのです。
ゴミ屋敷清掃員が現場で遭遇した「驚愕の就寝スポット」ベスト3