ゴミ屋敷の片付け後あるいはその作業中に水漏れの疑いが発覚した場合、専門家は一体どこをどのように調査するのでしょうか。それは単に蛇口や配管を見るだけではない、建物の構造や目に見えない部分までを視野に入れた総合的な調査となります。プロが水漏れ調査で特に注意深くチェックするポイントはいくつかあります。まず最も基本的なのが「水回りの設備」の点検です。キッチン、浴室、洗面台、トイレそして洗濯機の給排水管。これらの接続部分に緩みやパッキンの劣化がないか、配管そのものに亀裂や腐食がないかを目視と触診で丹念に確認します。ゴミに長期間埋もれていた配管は湿気によって金属部分が錆びて脆くなっていることが多いため特に注意が必要です。次に調査の範囲は「床下」や「壁の内部」へと広がります。たとえ室内の床や壁に目立ったシミがなくても安心はできません。点検口などから床下の状態を確認し土台や大引、根太といった木材部分に水が染みた跡や腐食、カビの発生がないかをチェックします。またサーモグラフィーカメラなどの専門機材を使って壁の内部の温度分布を測定し、目に見えない水分の滞留や断熱材の濡れなどを非破壊で調査することもあります。さらに重要なのが「建物の外部」からの水の侵入の可能性を探ることです。屋根や外壁のひび割れ、窓サッシ周りのコーキングの劣化などから「雨漏り」が発生しそれが室内の水漏れの原因となっているケースも少なくありません。特に家の外周にまでゴミが積まれていると、そのゴミが雨水を吸って常に外壁を湿った状態にし水の侵入を助長してしまいます。プロの調査はこれらの「設備からの水漏れ」「構造内部の結露」「外部からの雨漏り」という三つの可能性を総合的に検証していきます。そしてその原因を正確に特定した上で配管の修理だけでなく、必要であれば床や壁の解体、構造材の交換、防水工事といった根本的な解決策を提案するのです。